きっかけ − 水彩画 (01/05/04)



病気のおかげ。
病気をしてからは、しばらく長い間にわたり肉体的に無理をしたり、精神的ストレスを与えないようにと医者から言われ続けていた。睡眠時間も7,8時間取るようにとも言われた。
今でもそれは基本的には変わってはいないのだが。 しかし7,8時間も寝るとなると、会社から帰宅してもほとんど何も出来ずに、すぐ寝る時間になってしまう。
また、そのような生活に体が慣れてしまうと、ちょっと無理をすると体がだるいと言う状態になり、悪循環となっていた。

そんな状態が10年以上も続いていると、好きなことも出来ずにこのままの人生で終わってしまっていいのだろうかと、考えてしまう。

そんな時に、たまたま画家の安野光雅先生の「風景画を描く」という番組がNHK教育テレビで放映されていた。 ヨーロッパの各地を旅して水彩画を描いている様子などが映し出されていた。 安野先生の絵は、ど素人の発言で誠に失礼だが、私にも描けそうだという気を起こさせる絵で、その番組で紹介されていた絵は私の好みにも合っていた。

絵を描くのなら、体力もあまり使わないし、金もあまりかからないので、やってみようと思い立ち、水彩画の画材を買い揃えた。 初めのうちは、安野先生の絵をまねたりして色々描いていた。
絵を始めてからしばらくして、新宿で安野光雅展が開かれていたので、早速見に行った。 本ではすでに安野先生の絵は色々と見ていたが、原画を初めて目の前にしたときは、非常に感激したことを今でもはっきりと覚えている。 背筋がぞくぞくするというが、まさにぞくぞくしたのである。おそらく絵を見てそのような感動を覚えたのは、その時が初めてだったと思う。

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